北のいわしノート

21世紀の青島幸男(政界以外)を目指している七代目立川談志かぶれの戯言

構造尊厳死という名の終焉:マイケルと尾崎が選べなかった“死の形”

思い出してほしい。

マイケル・ジャクソン尾崎豊という、二人の若者たちに絶大な影響を与えたアーティストの謎の死を。

世界の頂点で輝きながらも、彼らの最期は事故や病気と片づけられない不自然な側面を多く残した。

彼らが遺したのは、単なる音楽や歌詞だけではない。

誰もが抱える「死」の意味を問い直すきっかけでもあった。

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二人の音楽歴の軽い紹介

マイケル・ジャクソンは、幼少期にジャクソン5のリードとしてデビューし、「キング・オブ・ポップ」と称されるまでに世界中で数々のヒット曲と革新的なパフォーマンスを生み出した。

それを支えていたのが「クインシー・ジョーンズ」だったのは周知の事実である。

彼の音楽はポップ、R&B、ロック、ファンクを融合し、多くのアーティストに影響を与えた。

一方、尾崎豊は1980年代の日本で若者の心情を代弁するシンガーソングライターとして急速に支持を集めた。

その歌詞は純粋で熱く、時に社会への反発も込められていた。

彼の作品は青春の象徴として今も語り継がれている。

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“構造尊厳死”という新概念の提唱

ここでひとつ、新しい言葉を提案したい。

<構造尊厳死

これは本人の明確な意思がないまま、周囲の期待やプレッシャー、環境によって“逝かされる”死の形だ。

単なる自死でも他死でもない、両者の狭間にある、曖昧で痛ましい現代の死。

彼らの死は、まさにこの「構造尊厳死」の典型例と言える。

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マイケル・ジャクソンケーススタディ

マイケルは晩年、肉体の限界と巨大な期待の狭間で苦しんでいた。

2009年の死は公式には薬物の過剰投与とされるが、その背景には医師やスタッフによる延命措置、そして「キング・オブ・ポップ」という神話を保つための社会的依頼があった。

本人の真の意思は霧の中にあり、彼は「マイケル」という幻想を維持するために死に追いやられたともいえる。

特に後期の「クインシー・ジョーンズ」から離れてからの作品に強く感じる。

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尾崎豊ケーススタディ

尾崎もまた、時代と社会の重圧に押しつぶされていった。

若者のカリスマとしての象徴性を背負いながら、精神的な疲弊は深かった。

彼の死も真相が曖昧で、多くは「事故死」とされるが、周囲やファン、メディアが作り上げた「尾崎像」を保つための見えない依頼があったのではないか。

自身が「大人」になってしまうことによって、今まで歌ってきた歌が”偽物”になることを恐れていたのかもしれない。

こうして彼もまた「構造尊厳死」の犠牲者と見なせる。

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現代の社会と芸能界への示唆

現代の芸能界では、スターが背負う期待は昔にも増して重い。

「完璧なイメージ」「休めないスケジュール」「ファンやスポンサーからの圧力」・・・「構造」

こうした環境は、本人の健康や意思を超えた“構造”の死を生みやすくしている。

マイケルや尾崎はその象徴だが、彼らに限らない問題として今も続いている。

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尊厳死が法律で認められた国」の出現

そんななか、世界では尊厳死の法整備が進み始めている。

イギリスは2025年6月に終末期患者の安楽死を合法化する法案を下院で通過させ、2029年の施行を目指す。

他にもフランスやオーストラリア、ニュージーランドなど多くの国で、患者本人の意思を尊重した医師による補助死が認められている。

これは、本人の意思に基づく「尊厳ある死」を社会全体で認める動きだ。

(日本で有罪が確定した医師二名はどう思うであろうか)

しかし一方で、本人の意思とは無関係に「尊厳死」を強いる社会構造との対比も鮮明になっている。

言い換えるなら、必要悪としての「弱者尊厳死排除」の始まりとも言えるのではないだろうか。

(少し考えて欲しい、近年多数行われている「出生前検査」という存在が、ここに繋がるのではないかということを)

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新たな死の形を見つめ直す視点

マイケル・ジャクソン尾崎豊の死は、私たちに問いかける。

「死」を誰が決め、誰のためのものなのか。

法が尊厳死を認める時代にあっても、本人の真意が蔑ろにされる「構造尊厳死」の闇は消えない。

私たちは彼らの死を通して、「生きる」ことの尊厳と、「死ぬ」ことの尊厳を改めて見つめ直す必要があるのだ。

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これは太宰治芥川龍之介の最後と異なるようで同じなのかもしれない

 

Kunverkisto Mainŝi-Ijoŭns


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